渡辺巡りの旅に行ってきた(埼玉県鴻巣市・山梨県富士五湖)

 普段ミョージシャンとして活動しているものの、北海道の奥に住んでいるので実際に本州でなにか調べたことはない。今回、本州に行く機会に恵まれて、なにか苗字の見識を深められるところに行きたいと思っていた。そういえば富士急ハイランドがある富士吉田市周辺の富士五湖地方は渡辺さんが非常に多いことで知られている。ぼくは本州の苗字集中地帯というのを見たことがなかったので、これを体験しに行こうと思った。そして渡辺にゆかりのある場所へ行ってみよう!!

 ということで、まずは新宿駅に降り立った。

 新宿駅のもともとの住所は「豊多摩郡淀橋町大字角筈字渡辺土手際」といった。江戸時代、この地には元々旗本の渡辺氏の屋敷があり、渡辺町と呼ばれていたようだ。

 もう一つ、渡辺に縁があるのが、新宿駅の西側にある旧地名・角筈である。

 町名としては廃止され、施設などに名を残す角筈であるが、古くに角筈を開拓した渡辺与兵衛の髪の束ね方が角や矢筈に見えたことから、地名が起こったと言われている。

 角筈の北側の十二社熊野神社紀州出身の鈴木九郎が勧請したというが、一節に渡辺与兵衛が勧請したものとも言う。

 もっとも、鈴木は熊野信仰に大いに関係する苗字のため、渡辺与兵衛が実際熊野神社を開いたかは怪しい。

 次に来たのは埼玉県鴻巣市

 鴻巣市箕田地区は、渡辺姓の祖とされる渡辺綱(わたなべ・の・つな 源綱)の出身地である。渡辺綱は、嵯峨天皇の血を引く嵯峨源氏の一族であり、武蔵国足立郡箕田村を領地とした箕田源次こと源宛(みなもと・の・あつる)の子である。源宛が綱が生まれる前に21歳の若さで死去し、綱は母方の祖父である源満仲(みなもと・の・みつなか 多田満仲)の婿である源敦(みなもと・の・あつし)に引き取られ、満仲の地元である摂津国(現・大阪府北部・兵庫県南東部)に移住することになる。そして摂津国西成郡渡辺(現・大阪市中央区付近)に住み、渡辺を苗字とした。(なので、本当は大阪にも行かなければならないが、それはまたの機会に)

 まずは渡辺綱の祖父である源仕(みなもと・の・つこう)が勧請したという氷川八幡神社に赴く。


 看板には渡辺氏の家紋、渡辺星がつけられている兜と、膝をついて謝る鬼が描かれている。これは実際、渡辺綱に鬼退治の逸話があることに由来するのだろう。渡辺綱は満仲の嫡子である源頼光の家来・頼光四天王の一人であった。頼光が四天王を率いて大江山に巣食う酒吞童子を討伐した逸話や、綱が今日の一条戻橋で銘刀髭切を用い鬼を切った逸話は語るまでもなくよく知られている。そのため、鬼は綱の子孫である渡辺さんを恐れているので、渡辺さんは節分に豆まきをする必要がないという話も語られているようだ。

箕田碑


 次に来たのが箕田観音堂源仕源経基(みなもと・の・つねもと)から馬頭観音像を譲られ、この地に綱が安置したのが始まりという。

   

 箕田の氷川八幡神社の裏手には綱が父親の宛の菩提を弔うために建立したと伝わる宝持寺がある。氷川八幡神社と共同で渡辺綱公千年祭という催しをしているようだ。

 境内の横には墓地があり、全国渡辺会による嵯峨源氏の顕彰碑があった。

 次に訪れたのは山梨県富士吉田市を中心とする富士五湖地方である。

河口湖

 

 富士五湖地方周辺は非常に渡辺さんが多いことで知られており、富士吉田市南都留郡富士河口湖町忍野村鳴沢村西桂町では最多姓である。人口の2割近くが渡辺さんという市町村も珍しくない。この集中っぷりで、山梨県内まで範囲を広げても、山梨県で一番多い苗字となっている。

 甲斐国の渡辺氏は、『山梨県姓氏家系大辞典』によれば長慶天皇の供として従った渡辺氏が甲斐に土着したものと伝わる。戦国時代の甲斐武田氏の家臣にも渡辺姓のものは多い。少なくとも南北朝時代から戦国時代には、この地方で渡辺姓が多かったと言えるだろう。

 まずは富士吉田市の福地八幡宮を訪れた。福地八幡宮は、誉田別命とともに渡辺綱を祀り、渡辺大明神とも呼ばれている。富士五湖地方の渡辺さんの氏神とも言える。

寄附者にも渡辺さんが多い

 富士吉田市富士河口湖町を巡ると、渡辺という名前を持つ企業も多く、渡辺さんの多さを示すため、撮ってきた看板を挙げる。

富士吉田市

富士河口湖町

 

富士河口湖町

 次に訪れた鳴沢村は人口の約3割が渡辺さんであり、日本で一番渡辺さんの割合が高い自治体となっている。

 村議会の議員10名のうち、5名が渡辺さんだ。

 鳴沢村でも渡辺名の企業は多い。

 最後に本栖湖のほとりにある渡辺氏屋敷跡を訪れた。

 渡辺氏屋敷の住人は渡辺囚獄佑(わたなべ・ひとやのすけ)。武田氏の家臣であり、富士山の御師としても活動していたという。もと八代郡精進村の住人であったが、武田氏に本栖の甲斐・駿河の警備の任務を命じられ、本栖に居住していた。

個人宅?のすぐ側を通る

 渡辺氏屋敷跡の裏手の森の中に囚獄佑の墓とされる石塔があった。

森の中に金網が(掛け金はあったが鍵はなかった)

 渡辺巡りのために、鴻巣から本栖湖までやってきて、一つの苗字の事跡を追い求めるというのは中々楽しかった。実際に生活する渡辺さんを実際に見ることで苗字についての見識も深まった気がする。本当はもう少しゆっくり回れればよかったのだがそれは今後の苗字旅の課題にしよう……。

ぼくが狂ったようにピアノを解体した理由とその理論

ピアノの思い出

「きょくにゃん、ピアノいらないかい?」

 そう母方の祖母から電話がかかってきたのは10年前だったか、15年前だったか記憶は定かではない。しかし、貧乏性でタダのものなら何でも貰いたがるぼくのことだから「ちょーだい!」と即答したことは覚えている。

 聞けば、祖母が引っ越すというので、母親の使っていたピアノを引き取ってくれればとのことだった。

 父親の知り合いにトラックを手配してもらって、郊外の母方の実家を訪ねて男ども何人かでようやく荷台に引っ張り上げた。これがまた200kg近くあるため重労働だったのだ。もちろん下ろすときも重労働。怪我に気をつけて、そろりそろりと自宅に運び入れ、置ける部屋もなかったので廊下に据え置かれた。

「やったなあ。ピアノがただで手に入ったなあ。これでぼくもピアノが弾けるようになるなあ」

 しかし、ピアノがただ手に入ったからといって、演奏するという習慣が簡単に身につくわけがなかった。最初のうちはきらきら星だとかそういう簡単なやつをやっていたが、その内ぼくは完全にピアノを持て余し、残念ながら母の形見のピアノは廊下の面積を悠々と圧迫するだけの存在となっていたのである。

 ところで、このピアノ、一般家庭においてあるようなアップライトピアノのような形をしていたが、少し変わり種のシロモノであった。

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アップライトピアノ

 その名も電気ピアノといい、普通アップライトピアノに入っているような響板が入っていない。ピアノというのは弦をハンマーで叩いて出た音を響板で共鳴させて大きい音が出る。しかし、この電気ピアノというやつは響板の代わりにアンプとスピーカー、磁気ピックアップが付いており、これらの電気部品で音の大小を調節できるという優れモノなのだ。

 今から50年ほど前、高度経済成長により一般家庭の所得が増え、家庭にピアノが普及した。豊かさの証だったが、1974年にピアノ騒音殺人事件が発生するなど、騒音問題への関心も高まっていた。そのため、この音量を調節できる電気ピアノがどうやら注目されたらしいのだ。

 ところが、取り回しやすい電子ピアノや電子キーボードが登場すると、見た目は普通のアップライトピアノと変わらなくごつい電気ピアノは淘汰されてしまった。

 なぜこうくどくどと電気ピアノの紹介をしたか。それは処分をしようとタケモトピアノなどのピアノ買取業者ではこの少し変わったピアノを引き取ってくれなかったからだ。電気ピアノは調律を必要とするのはアップライトピアノと同じだ。だが、決定的に違うのは電気部品を使っていることだ。プラグにコンセントを挿して電源を入れなければ音が大きくならない(一応電源を入れなくても音は鳴るが響板がないため響かない)。一般的なピアノとは相違点があり、また製造から40年近く経っているものが多く、電気部品の劣化が問題になる。そのため、電気ピアノは超マニア向けの商品で買い取ってもらうのも難しいという問題があったのだ。

ピアノを壊そう!

 ぼくは引き取って貰えないなら処分をしてもらおうと考えた。不用品回収業者に見積もりを頼んだが、10万円との試算を見せてもらい、目玉が飛び出てしまった。

 やっとれん!わかった!もう自分で解体してやる!!!!!!!!!!!!

 はずしてみた

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上前板を外したところ

調律をしやすくするために前側の板はたやすく外れるようになっているが

うわあこんなんなってんだあ

なんだこれは鍵盤とハンマーだけでこんなにあるのぉ(あたりまえ)

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下前板を外したところ

 これがこのピアノが普通のピアノではないことを示すアンプとスピーカーである。弦を張るための金属フレームも普通のピアノと比べると小さい(らしい)

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鍵盤を外したところ

鍵盤も簡単に外れる。

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金原姓の検印

 ふと鍵盤の裏を見ると「金原」の印。金原は静岡県遠州地方の苗字で、特に袋井市から磐田市浜松市にかけて激しく分布している苗字。江戸時代の遠州の庄屋にも見られる。このように苗字からも浜松市に本社を置くヤマハ製であることが明白であるとわかる。

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ハンマー

鍵盤をすべて取り外してハンマーを外していく。

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ハンマーを外していく

 ……え?

 ひとつひとつ金属フレームにネジ止めしてあるってまぢ……?

 これでだいぶつかれてしまった。

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音量調整ツマミ

 すべてのハンマーを取り外すと、弦を番線カッターで切っていく。このとき、弦が跳ねてきて怪我をしないように気をつけなければならない。何せ、音を出すために、ものすごい力で金属フレームに止めてあるのだ。切るたびに「バッチーン!」とものすごい音をたてて弾けていく。必ず長袖の服を着て、軍手を付けて、できれば保護メガネも着用してほしい。万が一目にあたったら大変だ。

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弦を止めるためのピン

お次に弦を止めるためのピンを取り外していく。これにはチューニングハンマーという一般的には調律に使う特殊な工具が必要となる(Amazonでポチった)

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チューニングハンマー

 これで一本一本ピンを取り外すと金属フレームがむき出しになる。この金属フレームがピアノで一番重たい部品で、100kgほどになる。運び出しを楽にするには、切断して小分けにしたほうが良い。ディスクグラインダーがあれば、それで切断してもいいが、火の粉が出るので室内ではやめたほうがいい。ぼくは鉄鋸で一日かけて3つに切断しました……。

 金属フレームさえ始末してしまえば、あとはネジを外してピアノのガワを分解していって、ノコギリで短く切って……。

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切断したピアノの板

はいこれでゴミとして処分できますね。

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手のことジグソー

 最初は手のこで切ってたんですけど普通にマメが出来て痛かったのでジグソーで切りました……。

 というわけで、ピアノの解体は素人でも意外と簡単なので、もしピアノの処分に困っている人は自分で解体することも検討してみてもいいかもしれない。ただ、時間はかかるし(休み休みで1ヶ月近くかかりました)、ゴミとして廃棄する手間もかかるのでそこもよく検討してほしい。もちろん大抵の人はピアノに思い入れがあるだろうから、まずは譲ったり買い取ってもらったりできる人や業者を探してみてね。

使った道具

    • チューニングハンマー(Amazonで1000円くらいのやつ)
    • プラスドライバー(殆どプラスネジで止まってる。できれば電動ドライバー)
    • マイナスドライバー(できれば大きいもの。接着剤で板が止まってる部分もあるので、マイナスドライバーを打ち込んで剥がしてもいい)
    • げんのう(ゴム槌とかで良い。マイナスドライバーを打ち込むために使う)
    • 鉄鋸(金属フレームを切断するのに使った。はずれないネジを切ってしまってもいい)
    • のこぎり(ピアノの木製板を切ってゴミ回収に出せるように切り揃えた。できればジグソーやレシプロソー)

 ゴミとして捨てる際にはお住まいの回収ルールに従ってくださいね。

 お粗末さまでした。

さよならブロマガそして近況(はてなブログに移行しました)

 ニコニコのブロマガというサービスが2021年10月7日で終了するという。そこではNeily Chronicleと銘打っていくつかのブログ記事を書いていたのだけど、なかなかぼくも貧乏性であって、今まで書いたものが消失するのは口惜しい。そこで、はてなブログに移行することにした。

 アメリカの大富豪で「鉄道王」の異名で呼ばれたコーネリアス・ヴァンダービルト1世…の曾孫で、鉄道技術者として名を馳せたコーネリアス・ヴァンダービルト3世の愛称「Neily」と英国の新聞「Daily Chronicle」をかけ合わせた激シブな名前をつけられた前ブログ。2013年3月17日に初めて投稿し、それから約8年。20数個の記事しか書いておらずなんとも筆無精が露見するが、一方で「省みるといろんなことをやったなあ」と懐かしくもなる。

 ぼくはもともと、日本の苗字の探求をライフワークとしており、また、苗字のことを沢山の人に知ってもらいたいことから、ニコニコ大百科やブログでいろいろな苗字の記事を書いたり、苗字の同人誌を書いたり、苗字系Vtuberとして活動してみたりいろいろな活動をしてきた。これからも苗字シャン(ミュージシャンみたいなやつだ)としてそういう苗字活動や、その他にも歌を歌ったり動画作ったり色々なことをしていきたいが、最近はパンを得るための労働に勤しみ、忙しかったりして停滞中である。そういったweb上の活動ができない状況は「みんななにもつくらないぼくのことどうでもいいよな……わすれられたくないな……」という焦燥を生んでしまい、なかなかしんどいものがある。

 しかし、自分の中では日々の充実がある。それは労働によって、お金を稼いでしっかり生活できているという充足感と、現在資格取得にハマっており、勉強して自分の身になっているという充足感があるからだ。

 きょくにゃんはやりたいことブレブレなので、キャパシティを超えてしまう。でもぼくは元気だし、焦りはあるけど充実してるし、またぼくが活動に本腰を入れる時を待っていてほしい。きょくにゃんは不滅なのだ。

千葉県と東北地方は苗字の分布がかぶってるかどうか考えてみた

千葉県が、というよりは関東地方が、だと思います。佐久間はたしかに、実数では福島県より千葉県に多くあります。全国の佐久間さんの内、2割近くが千葉県にあり、千葉県に集中する苗字と言っていいでしょう。

ただ、及川は神奈川県や東京都にも多く、確かに千葉県に多いけれども飛び抜けて多いというわけではありません。佐久間にしても、千葉県にかなり集中していることは確かですが、関東地方に広く分布しています。

東北地方は関東地方やその付近の地名を苗字とした武士団の移動によって、関東地方の地名を由来とする苗字が多く分布しています。(cf.下記動画)

代表的なのは、宮城県秋田県などに多い三浦(現在の三浦市が由来)とか、岩手県宮城県に多い千葉(現在の千葉市由来)、岩手県宮城県に多い熊谷(現在の熊谷市由来)とかですね。これらは発祥地の県にものすごく多いというわけではありませんが、関東地方でも普通に見られる苗字です。ただ、たしかに関東地方は首都圏で人口の流入が激しいので、比較的最近になって増えたのかなという点も考えておかなければなりませんが。

他にいくつか例を挙げると、青森県秋田県に多い奈良姓は、現在の埼玉県熊谷市の奈良という地名が由来ですが、埼玉県北部や群馬県に現在も奈良さんが比較的多いです。秋田県青森県に多い浅利姓は(関東地方ではありませんが、)山梨県中央市浅利の地名が由来です。これも山梨県に一定の分布があります。

佐久間は現在の千葉県鋸南町の佐久間という地名が由来です。なので、千葉県に多くても不思議ではありません。及川の場合は、由来は現在の兵庫県の地名だといいますが、現在地はよくわかりません。ただ、推測ですが、匝瑳の地を経由して増えたとは考えられますよね(ちなみに匝瑳市の及川さんは「およかわ」と読みます)


九州の苗字の分布傾向を解説してみた

マシュマロでこういう質問が来たのですが、

Twitterではちょっとまとめきれないのでブロマガにまとめます。

九州特有の苗字の傾向をお知りになりたいということですね。なるべく絞って書くようにしますが分かりづらかったらごめんなさい><

九州は各県で苗字の分布している傾向が違います。各県で個性が違うのですが、大きくざっくりと系統を分けるなら

  • 九州北部(福岡・佐賀・長崎・熊本):江頭など「江」。江副など「副」。納富など「富」。岩隈など「隈」。石丸など「丸」。光武など「武」。池永など「永」のつく苗字が多い。
  • 大分県:佐藤・後藤・阿部など東日本で見られるような苗字が多い。
  • 九州南部(宮崎・鹿児島):有村など「有」。松元など「元」。上園・上薗など「園」「薗」。福留など「留」。大迫など「迫」。下水流など「水流(つる)」の付く苗字が多い。
  • 奄美諸島:栄や朝、福など一文字の苗字が多い。

のようになります。個性的なんですね。

なので、九州全体に多いという苗字となると中村とか田中とか前田とかなのですが、これは他の地域にも多い苗字ですよね。

何県かにまたがっている苗字を挙げるなら古賀です。古賀は福岡・佐賀・長崎に集中する苗字で九州に全国の80%近くが集中しています。熊本県に多い緒方も九州に70%があります。黒木は全国世帯数ランキングベスト100にも入ってないのに宮崎県で最多姓となっている苗字です。これらは全国世帯数も多い苗字なので、九州を代表する苗字の一つと言って良いのではないでしょうか。

九州北部の福岡・佐賀・長崎は結構共通する苗字が多いです。江口鐘ケ江井手などがそうですね。宮崎県から熊本県にかけて多い林田や、大分県から宮崎県にかけて多い甲斐、宮崎県から鹿児島県にかけて多い日高も九州っぽい苗字ですね。

九州各県の苗字でその県に集中する苗字を挙げると

  • 福岡:八尋(やひろ)、野見山(のみやま)、波多江(はたえ)
  • 佐賀:副島(そえじま)、陣内(じんのうち/じんない)、百武(ひゃくたけ)
  • 長崎:岩永(いわなが)、三根(みね)、阿比留(あびる
  • 熊本:有働(うどう)、赤星(あかほし)、紫垣(しがき)
  • 大分:衛藤(えとう)、岩男(いわお)、財津(ざいつ)
  • 宮崎:長友(ながとも)、岩切(いわきり)、椎葉(しいば)
  • 鹿児島:伊集院(いじゅういん)、海江田(かいえだ)、是枝(これえだ)
  • 奄美:恵(めぐみ)・慶(いわい)・与(あたえ)

とかですね。あくまでもごく一部なんですけれども。

もっと詳しく知りたければ、ニコニコ大百科の「日本の苗字分布」という記事(ぼくが書きました)や、この記事に挙げられている書籍、サイトなどもご覧くださいね!


アイドルマスターの苗字を解説した本を作ってみた

Здравствуйте!!! 皆様こんにちは。北海道にもようやく桜前線が到達しつつある今日この頃ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。

というわけで今回、前記事でちらりと話が出ました同人誌ですが……

まななんさんとちもさんとぼくのサークル「トリ☆サマ」で
アイドルマスターの苗字を語る本
THE SURNAMEM@STER」

というアイドルマスターの様々なアイドルについての苗字を解説するというなんとも珍妙な同人誌を発行する運びとなりました!
(珍妙といいましたがぼくとしては通常運行です)

2017年5月5日(金祝)、東京都台東区東京都立産業貿易センター 台東館で開催される「都産祭2017」内のアイドルマスターオンリーイベントMyBestFriends10」にて頒布します。配置番号は「40」
(ぼくは北海道にこもりきりなのでちもさんとまななんさんがいるはず)

なお、夏コミ(C92)も申し込みをしておりまして、当選すればそちらでも頒布を行う予定です。

内容としてはいつもまななんさんたちとやっている生放送「アイドルマスターの苗字を語る生(アイマス苗字生)」のスピンオフ的なものとなります。ぶっちゃけタイトル通りです。アイドルマスターシンデレラガールズでのお話が中心になっていますが、アイドルマスターシリーズ全体についてのものになっております。

以下はサークルカット

以下は表紙。

とっても素敵な表紙はよしこTwitter@yoshikeizi)さんに描いてもらいました!

以下は本文サンプルです。




B5判・46Pで、500円で頒布いたします。

通信頒布は申し訳ありませんが今のところ未定です。

ぼくの住む北海道でも機会があれば何らかのイベントで頒布する予定です。

みなさんにアイドルマスターを通じて少しでも、苗字の面白さを知ってもらったり、担当アイドルに対しての理解を深めてもらうきっかけになればいいなと思います。

それでは5月5日、都産貿でぜひ手に入れてくださいね!До свидания!!


「浅利七海の炊き込みご飯」について講釈たれてみた

こんにちは。

はじめましての方はкёкуといいます。「きょく」と読みます。「きょくにゃん」とお呼びください。


今回は3月31日に投稿した動画「浅利七海の炊き込みご飯」についてお話します。あんまり自分の制作物に講釈をたれるのは良くないなあと思うのですが、今回は浅利七海というアイドルの良さを伝えるという役割もありますので思い切って筆を執りました。


【あさりの炊き込みご飯】
この動画のタイトルを考えた時に、「浅利七海コラボレーション」とかにしようかなと思ったのですが、あまりにオリジナリティがないのではないか、黒土Pの浅利七海合作とかぶるのはよした方がいいのではないかという助言を受け、考えたタイトル案の一つが「浅利七海の炊き込みご飯」でした。

そして、このタイトルに決定した時にあさりと炊き込みご飯のもとを買ってきて作ったのがこの炊き込みご飯です。苗字好き故に苗字をダジャレにするのは葛藤を持つのですが、美味しく炊けたので許してほしい。

【OP】
なにか導入が必要だなと感じた時に思いついたのが笑うせぇるすまんのネタでした。4月からアニメの新シリーズが始まるのはOPが完成した時に知り、天啓を感じました。

【ジングル】
画用紙と粘土と折り紙で作りました。魚はサバオリくんのつもりでしたが不器用な故に全く似なかった。

【ヤドカリマンモス】
Aviutlをインストールして初めて作った動画です。このヤドカリマンモスは「ゲゲゲの鬼太郎 国盗り物語」に登場するムー帝国の総理大臣のペットで妖怪ではありません。ひと目でヤドカリでマンモスだーとわかる水木しげる先生の造形力の高さを思い知らされますね。

【モノマネ・安部菜々
案外似ませんでしたが自信作です。

【論破ーズ】
びっくりするほど言及がないんだけどみんなロンパーズっていうナムコアーケードゲーム知らない……?

【フィッシュパラダイス】
フィッシュパラダイスはいいぞ。七海ちゃんと肇ちゃんがタッチしあってるのがいいところだと個人的には思います。

ちなみにこの映像はボルテスVがフィリピンで放送された時に制作されたティト、ヴィク、ジョーイというコメディアンによるパロディです。ボルテスVのフィリピンでの人気の高さが伺えますね。

【ジングル2】
千羽鶴もとい千匹魚ですが40匹くらいしかいません。

【ななみの船は300とん】
美幌健という演歌歌手のデビュー曲「おいらの船は300とん」という歌の替え歌です。北見恭子などもカバーしてます。浅利七海ちゃんにカバーしてほしい歌の一つなんだけれども安直すぎるかな?

ちなみに「おいらの船は300とん」には元歌がありまして、青木光一による「船は三〇〇噸」がそれです。

【パセリあさり】
浅利七海合作のパセリ七海のパロディです。あさりを茹でる時にテンションが上ってしまいました。

【声に出して読みたい日本語】
前向きで得も言われぬしぶとさがあって、純粋さもあって浅利七海ちゃんのセリフの中ではお気に入りの一つです。
BWV773じゃなくてBWV772なのはBWV773にしようかと思ったんだけどBWV773が短調でかなしい曲調だったので忍びなく感じられたからです。

【我ラCoolナ14歳】
いいぞ。

【ハッカクの刺身】
ハッカクが自己紹介しているのに次の写真でもう捌かれているという諸行無常感が欲しかったのです。

【ときめきオーシャン】
ときめきオーシャンの歌謡曲感はいいぞ。瀬名さんをはじけさせてみたかった。

元動画はドイツの家具チェーン・ヘフナー(楽器メーカーのカール・ヘフナーとは関係ありません)のCMです。

【モノマネ・Never say neverを歌う細川たかし
自信はあったんですが全然似ませんでした。

【苗字解説】
いつもやっていることです。

ぼくは北海道におりまして、周りには浅利という苗字の人が多くはないけれどもそれなりにいるという環境で過ごしていまして、七海ちゃんは親戚のかわいいお嬢ちゃんみたいな感じで見ております。

苗字は素晴らしい。特にシンデレラガールズは、キャラの苗字が多い地域がキャラの出身地と合致していて気持ちいいですね。あまり創作において苗字の分布の問題は考慮されませんのでこういうケースは珍しいのです。

詳しくはこちらの記事を見てください。
http://dic.nicovideo.jp/id/5443180

バッハは何にでも合う。

【串本節】
浅利は和歌山県では東牟婁郡串本町に多く分布する苗字です。串本町と言えば串本節ですよね。

【サバ】
我が混沌のサバト・マリアージュを聞いてて思いつきました。

【サバオリくんの心の声】
変化球が欲しかったので。元ネタはOH!スーパーミルクチャンのハナゲの心の声です。

【世界「あ」のつくものランキング】
世界「あ」のつくものランキングです。

【エンディング・浜の人気者】
七海ちゃんは浜の人気者だといいなあと思ったので。

【そもそもの話……】
ぼく、アイマスPになったのが最近のことで、まだ1年ほどしか経っていません。アイマスPになったきっかけも説明するのが難しい。もともと、ぼくはアイマスのこと人気だなあすごいなあと思いつつもよくわからないさんでした。
そんなぼくをアイマスPにしたきっかけはまずこちらのツイートでした。

フォロワーさんのまななんさんにアイドルマスターの苗字をぼくが解説する生放送をやらないかといわれたのがきっかけでした。

そもそも、デレマスの苗字(とキャラの出身地の関係)が面白いというのは(ぼくの中で)よく知られた話でした。

古くは2012年からこの事について認識しているんですね……(今調べてびっくりした)

何様なんでしょうこの人。

そう。デレマスは苗字の名付けが非常に面白いのです。初期実装キャラはあまり、苗字の分布と出身地が一致していませんが、後から実装されたキャラは一致することが多い(このことは現在製作中の同人誌「アイドルマスターの苗字を語る本」にて解説します)。

おそらく、運営の方はよく勉強していらっしゃるのではないでしょうか。そんなわけで、デレマスはプレイすることはなくとも注目していました。

苗字について飢えているぼくは先程のツイートに食いつきました(すぐ食いつきます)。そしてまななんさんはアイマスのことを、ぼくは苗字のことを語るために始まったのがこちらのコミュで放送している

アイドルマスターの苗字を語る生 THE SURNAMEM@STER(サーマス)」という番組でした。初回放送(プレ放送)が2015年6月なのでもうすぐ2年経つんですね。放送の内容はニコニコ大百科の記事(http://dic.nicovideo.jp/id/5443180)をお読みください。

プレ放送で765ASの苗字について解説。そして第一回、ディアリースターズの3人(日高愛水谷絵理秋月涼)の回でした。この回で「DSのシナリオはすごく良い」と聞きました。話を聞く限り「パワポケみたい」という印象を持ちました。

それから1ヶ月して、ディアリースターズを新品で購入。やってみるとこれがもうパワポケだった。すごいなあ。と思いつつ、シンデレラガールズにはまだ手が伸びませんでした。

ちなみに浅利七海ちゃんを知ったのはこの頃です。フォロワーさんのなっくさんが描いたこの絵がきっかけでした。

浅利って苗字だ!!!! 創作作品で見たことない! あっそっかデレマスの子だよね。調べてる時に見た。しかも……。
あら~~~~~~~~~。めんこい。サバオリくんをぎゅーってしてるところが特に良かったようです。

まあでもぼくは腰が重いのでアイドルマスターのことについて沢山の人から教えられていたにも関わらず。まだデレマスはやりませんでした。何よりスマホはおろかガラケーも持っていなかったのです。環境が整っていなかったというのは大きな理由でした。

その代わりと言っては何ですが、デレマスのCD(CINDERELLA MASTER)はちょくちょく買ってました。神崎蘭子ちゃんのとか安部菜々さんのとか星輝子ちゃんのとか。それで満足してたんです。

去年(2016年)の7月です。とうとうスマートフォンを買ったぼく、なにかゲームがやりたくなってきました。もうわかりましたかね。デレステです。

デレステをインストールしたぼくはほぼはじめての音ゲーにREGULARですら苦戦しました。元来負けず嫌いですし、一つのことに熱中するタイプでしたのでもうやり込みました。そしてたくさんいるアイドルたちのことも一人びとり理解りかけてきたのです。

さらにデレマス・デレステの楽曲がめちゃくちゃええやん!! CD欲しなってきたわ! とシンデレラ関係のCDを買いあさりました。まあよくあるデレステから入ったPですよね。

そして11月、シンデレラとDSがコラボとの報を聞き、前年にやったDSの感動を思い出したぼくは本家デレマスも始め、今ではこんなにプロデューサーに! と言った次第なのです。なので、ものすごく経験が浅いのです。

【浅利七海合作との出会い】
実は先週です。いえ、浅利七海合作という動画の存在は知っておりまして、何やらものすごいということは存じておりました。でもぼくは持ち前の腰の重さを発揮して見ていなかったのです。

そんな時、先週のサーマスの放送でまななんさんと今年の総選挙の話になりました。

まななん「きょくにゃんは去年の総選挙やったっけ」
きょくにゃん「やってないですね。まだCMをちょくちょく買ってた頃です」
ま「誰に入れたい?」
きょ「その時になったら決めます」
コメント「きょくにゃんは浅利七海でしょ」
きょ「せやねー……。七海ちゃんですかねやっぱり」
ま「謎の動画(浅利七海合作)も流行ったしね。チャンスだよ」
きょ「……。謎の動画まだ見てないんですよね……」
ま「ええ!? 見てないの!? 見なよ!」

てなわけで放送終了後まななんさんと一緒に見たんです。浅利七海合作。

これがまたすごい。話題になるだけある。やってることはシッチャカメッチャカなのにすごい勢いでバランスが取れている。

まななん「きょくにゃんこういうの好きでしょ。だからもう見てると思ってた」

はい、大好きです。そんな中ふつふつと燃え上がる衝動。これはぼくも作るべきではないかと。「伝説」の後を追うのは……という気持ちもありました。でも、やってみようと。

ぼくがまずやったことはAviutlをインストールして動画が作れるかなということです。なんとかぼちぼちと作れるということがわかったので、それからは浅利七海合作を見つつ、リスペクトしつつ、ぼくのやりたいことをしようと、七海ちゃんへの気持ちをカタチにしようと。

てなわけで作ったのがこういう動画でした。予想に反してものすごい反響を頂いて恐縮しております。ありがとうございます。

浅利七海ちゃんはほんとうに魅力ある可愛い子なので、よろしくお願いします。

Cool属性の14歳押しのきょくにゃんでした。