九州の苗字の分布傾向を解説してみた
マシュマロでこういう質問が来たのですが、
Twitterではちょっとまとめきれないのでブロマガにまとめます。
九州特有の苗字の傾向をお知りになりたいということですね。なるべく絞って書くようにしますが分かりづらかったらごめんなさい><
九州は各県で苗字の分布している傾向が違います。各県で個性が違うのですが、大きくざっくりと系統を分けるなら
- 九州北部(福岡・佐賀・長崎・熊本):江頭など「江」。江副など「副」。納富など「富」。岩隈など「隈」。石丸など「丸」。光武など「武」。池永など「永」のつく苗字が多い。
- 大分県:佐藤・後藤・阿部など東日本で見られるような苗字が多い。
- 九州南部(宮崎・鹿児島):有村など「有」。松元など「元」。上園・上薗など「園」「薗」。福留など「留」。大迫など「迫」。下水流など「水流(つる)」の付く苗字が多い。
- 奄美諸島:栄や朝、福など一文字の苗字が多い。
のようになります。個性的なんですね。
なので、九州全体に多いという苗字となると中村とか田中とか前田とかなのですが、これは他の地域にも多い苗字ですよね。
何県かにまたがっている苗字を挙げるなら古賀です。古賀は福岡・佐賀・長崎に集中する苗字で九州に全国の80%近くが集中しています。熊本県に多い緒方も九州に70%があります。黒木は全国世帯数ランキングベスト100にも入ってないのに宮崎県で最多姓となっている苗字です。これらは全国世帯数も多い苗字なので、九州を代表する苗字の一つと言って良いのではないでしょうか。
九州北部の福岡・佐賀・長崎は結構共通する苗字が多いです。江口、鐘ケ江・井手などがそうですね。宮崎県から熊本県にかけて多い林田や、大分県から宮崎県にかけて多い甲斐、宮崎県から鹿児島県にかけて多い日高も九州っぽい苗字ですね。
九州各県の苗字でその県に集中する苗字を挙げると
- 福岡:八尋(やひろ)、野見山(のみやま)、波多江(はたえ)
- 佐賀:副島(そえじま)、陣内(じんのうち/じんない)、百武(ひゃくたけ)
- 長崎:岩永(いわなが)、三根(みね)、阿比留(あびる)
- 熊本:有働(うどう)、赤星(あかほし)、紫垣(しがき)
- 大分:衛藤(えとう)、岩男(いわお)、財津(ざいつ)
- 宮崎:長友(ながとも)、岩切(いわきり)、椎葉(しいば)
- 鹿児島:伊集院(いじゅういん)、海江田(かいえだ)、是枝(これえだ)
- 奄美:恵(めぐみ)・慶(いわい)・与(あたえ)
とかですね。あくまでもごく一部なんですけれども。
もっと詳しく知りたければ、ニコニコ大百科の「日本の苗字分布」という記事(ぼくが書きました)や、この記事に挙げられている書籍、サイトなどもご覧くださいね!