千葉県と東北地方は苗字の分布がかぶってるかどうか考えてみた

千葉県が、というよりは関東地方が、だと思います。佐久間はたしかに、実数では福島県より千葉県に多くあります。全国の佐久間さんの内、2割近くが千葉県にあり、千葉県に集中する苗字と言っていいでしょう。

ただ、及川は神奈川県や東京都にも多く、確かに千葉県に多いけれども飛び抜けて多いというわけではありません。佐久間にしても、千葉県にかなり集中していることは確かですが、関東地方に広く分布しています。

東北地方は関東地方やその付近の地名を苗字とした武士団の移動によって、関東地方の地名を由来とする苗字が多く分布しています。(cf.下記動画)

代表的なのは、宮城県秋田県などに多い三浦(現在の三浦市が由来)とか、岩手県宮城県に多い千葉(現在の千葉市由来)、岩手県宮城県に多い熊谷(現在の熊谷市由来)とかですね。これらは発祥地の県にものすごく多いというわけではありませんが、関東地方でも普通に見られる苗字です。ただ、たしかに関東地方は首都圏で人口の流入が激しいので、比較的最近になって増えたのかなという点も考えておかなければなりませんが。

他にいくつか例を挙げると、青森県秋田県に多い奈良姓は、現在の埼玉県熊谷市の奈良という地名が由来ですが、埼玉県北部や群馬県に現在も奈良さんが比較的多いです。秋田県青森県に多い浅利姓は(関東地方ではありませんが、)山梨県中央市浅利の地名が由来です。これも山梨県に一定の分布があります。

佐久間は現在の千葉県鋸南町の佐久間という地名が由来です。なので、千葉県に多くても不思議ではありません。及川の場合は、由来は現在の兵庫県の地名だといいますが、現在地はよくわかりません。ただ、推測ですが、匝瑳の地を経由して増えたとは考えられますよね(ちなみに匝瑳市の及川さんは「およかわ」と読みます)