「つづ」は「10」か「19」か「20」なのか、苗字と地名から探ろうとしてみた

廿楽(つづら)という苗字がある。埼玉県桶川市に集中している苗字で、日本の廿楽さんの内、4分の1ほどが桶川市にある。埼玉県には「廿」と書いて「つづ」と読ませる苗字が他にもあり、蓮田市には廿浦(つづうら)姓、白岡市には廿野(つづの)姓が存在している。

廿」は「二十(20)」を意味する漢字だ。「」を横に並べて「廿」は分かりやすいが、なぜ「廿」と書いて「つづ」と読ませるかは非常に疑問だ。

なぜならば、「つづ」は「十」を意味する古語だからだ。しかし、「十」と書いて「つづ」と読ませる苗字は見当たらない。

更にややこしいことに、この「つづ」という言葉は「十九」を指すと誤解され、十九をも指すことになった。二十歳を指して「十(つづ)や二十(はたち)の~」と言っている内に「十」を「十九」と誤解されるようになったらしい(と辞書には書いてあった)。しかも、「十九」と書いて「つづ」と読ませる苗字は存在し、埼玉県桶川市に十九浦(つづうら)姓が、鳥取県に十九百(つづお)姓(鳥取市の防己尾(つづらお)城と関係あるんじゃないかと妄想推測している)が存在している。

ここで、「苗字は地名の子供である」の言葉通り(今考えた)、地名を調べてみる。すると、「廿」と書いて「つづ」と読ませる地名が意外に多く見つかった。以下列記する。

これ以外にも島根県益田市には廿子(つづし)遺跡があり、長野県上高井郡小布施町には(「二十」だが)二十端城(つづはたじょう)があった。どうも「廿」と書いて「つづ」と読ませるのは埼玉県の十八番では無さそうだ。「つづ」という言葉はもともと「二十」の意味も持ってたのかもしれないし、もしかしたら「『つづ』や『はたち』の~」と言っている間に「二十」にも誤解されるようになったのかもしれないが、ちょっとあてずっぽう推測が過ぎる気がする。

さらに「十九」と書いて「つづ」と読ませる地名を探すと、

があった。また、人名だが、映画俳優に諸口十九(もろぐち・つづや)という人がいた。

もうなんでこんなややこしい事になったのかは全然わからない。知っている人がいたらぜひご教授願いたい。

ちなみに「つづら」という地名や苗字は九十九折状の地形から来たのではないかと思う。